スタイルズ荘の怪事件
『スタイルズ荘の怪事件』
ポアロが初登場する、作家としての出発点。
“事件を書いた人、というより、人間を見つめた人。”
アガサ・クリスティーは、イギリス生まれの作家です。『オリエント急行の殺人』や『そして誰もいなくなった』などで知られ、「ミステリーの女王」と呼ばれています。
けれど、彼女の魅力は巧妙なトリックだけではありません。
人の言葉、沈黙、しぐさ、嫉妬、不安、思い込み。日常の中にひそむ小さな違和感を見つめ、それを物語へと変えていった人でした。
ポアロが初登場する、作家としての出発点。
大胆な構成で知られる、推理小説史に残る一作。
列車という閉ざされた空間で、人間の秘密が交差する。
孤島を舞台にした、世界的に有名なミステリー。
旅先の美しい風景と複雑な人間関係が重なる物語。
ミス・マープルが登場する、観察眼の物語。
若いころには世界旅行に出かけ、南アフリカやハワイでサーフィンを経験しました。体を動かして世界を感じていた、意外にアクティブな一面がありました。
第一次世界大戦中、病院や薬局で働きました。そこで得た薬や毒物の知識は、『スタイルズ荘の怪事件』をはじめ、後の作品にも生かされていきます。
今でこそ世界的作家ですが、原稿がなかなか認められない時期を経て、少しずつ作家としての道を切り開いていきました。
別名義で、ミステリーではない小説も書いていました。そこでは事件ではなく、愛情、孤独、家族といった人間模様が描かれています。
考古学者の夫とともに中東の発掘調査に同行しました。遺跡や砂漠の中で過ごした経験が、多くの物語へとつながっていきます。
彼女が長く愛される理由は、事件の面白さだけではありません。ミス・マープルにも投影された、鋭い観察眼が真髄でした。
アガサ・クリスティーは1890年、イギリス南西部の海辺の町トーキーに生まれました。子どものころから空想することが好きで、家庭の中で本を読み、物語の世界に親しみながら育ちました。
彼女は、目立つことよりも、静かに見つめ、感じ取り、想像することが得意な人でした。人の言葉、しぐさ、沈黙、思い込み。そうした小さな違和感をすくい上げ、物語の中に置いていきました。
机の前だけでなく、海や砂漠、列車や遺跡のそばにも、彼女の物語の種はありました。彼女が描いたのは、事件そのものだけではありません。事件を通して見えてくる、人間の本音、弱さ、欲望、愛情、孤独でした。
イギリス・トーキーに生まれる
アーチボルド・クリスティーと結婚
病院や薬局で働き、薬や毒物の知識を得る
『スタイルズ荘の怪事件』出版
考古学者マックス・マローワンと結婚
中東の発掘調査に同行し、旅の経験を作品に生かす
戯曲『ねずみとり』の上演が始まる
85歳で亡くなる